【超低出生体重児】1歳になった息子に送る手紙

【超低出生体重児】1歳になった息子に送る手紙

息子へ、

 

ちょっと遅くなっちゃったけど、1歳の誕生日おめでとう。

今日は2018年の7月15日です。

どんなことを書こうか迷っていて、気がついたら誕生日から2週間も経ってしまっていました。ごめんね。

多分、この手紙を読めるようになるのは、今から10年ぐらい先になると思うので、最近起きた出来事を書いておきます。

先月、大阪でおっきな地震が起きました。パパのおじいちゃんとおばあちゃんが住んでた茨木の駅の看板が落ちて、全国ニュースに流れていました。

それから大雨。中国・四国地方の色んなところでたくさん雨が降って、川が氾濫したり、土砂崩れが起きたりしています。パパの実家がある愛媛県松山市も、被災しました。

10年後にはテクノロジーが今よりももっともっと進化していて、自然災害にも立ち向かえるようになっているのかな?そうなったらいいな。

 

こんなことが起きた2018年の夏からちょうど一年前、君は産まれてきました。

身長33センチ、体重924グラム。ママのお腹の中にいたのは、26週5日だけでした。

本当なら、40週はママのお腹の中にいるはずだったんだけどね。

 

原因は今も分からない。

パパもママも、多分君も、凄く辛かった。妊娠してから5ヶ月間、順調に成長してたと思ったら突然ママのお腹が痛くなって、病院に行ったら即入院。

3泊4日で退院できるって聞いてたのに、3日目の夜に破水しちゃって、次の日にはおっきな病院に緊急輸送。

先生からは、このまま産まれたら10回に2回は死んじゃうって言われた。もし助かったとしても、重度の障害が残る可能性が高いって言われた。

それでも、パパとママは絶対大丈夫だって信じてた。そしたら君も頑張ってくれて、2週間も持ち堪えてくれて、無事に産まれてきてくれた。

 

初めてパパと会った時のこと、覚えてる?

蘇生室ってところで、沢山のお医者さんに点滴とか、チューブとか、測定器を繋がれているときに、触りにきたんだよ。

パパがお医者さんと話してる時に、少しだけ目を開けてこっちを見てたんだよ。

嬉しかった。

 

それからすぐにNICUに送られて、しばらくは保育器の中。

顔とか胸とかに沢山コードを繋がれて、心拍数とか血圧とか血中酸素濃度とか、色んな数値をずっと計測していて、10分おきにアラームがピコンピコンなってた。

危ないですよって。

口に、ミルクを飲むためのチューブを繋がれてたから、初めて君の声を聞いたのは産まれてから1ヶ月以上経った後でした。

 

3ヶ月半後、NICUを卒業して家に来るときは、パパとママに代わって24時間ずっとお世話をしてくれたお医者さんや看護師さんがいっぱいきてくれてお見送りしてくれたんだよ。大きくなったら恩返ししないとね。

それからはお医者さんも、看護師さんもいない、3人だけの生活。でも君は何食わぬ顔で過ごしていましたね。

もうコードはついてないからアラームはなることない。でも、だから最初は寝てるだけでも心配した。息してないんじゃないかって。

 

それからの9ヶ月はほんとにあっという間。

ニコニコするようになり、寝返りが出来るようになり、うつ伏せでいられるようになり。

最近は、ずり這いが得意だよ!ママがキッチンに行ったらすぐに追いかけてきて、柵に頭をぶつけてピーピー泣いてる。

そんな姿を見ていると、幸せな気持ちになる。

泣いてる顔がちょっと好きだったりする。もちろん笑ってる顔も好きだよ。

 

1年前のあの日、先生から助からないかもしれないって言われた時、どんなことがあっても受け入れようって心に決めてた。

だから何が起きても冷静に受け止められたし、乗り越えられた。

でもね、今になって考えてみると、それは君の笑ってる顔とか、泣いてる顔とかを見たことがなかったから出来たんだと思う。

今、あんなことを聞かされたら、とてもじゃないけど冷静でなんていられないと思う。

今、隣で寝ている君が居なくなるなんて考えられない。

いつかお別れをしなきゃならなくなるなんて、考えたくもない。

だから、毎日楽しいことばかりじゃないけど、パパとママもときどき喧嘩しちゃうけど、ずっと一緒にいようね。

 

今日は凄くいい天気。

どこに遊びに行こうか。

3人ならどこでもいいね。

 

一歳の誕生日、おめでとう。

 

2018年7月15日 ベッドの上で パパより